第135回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
動物・昆虫部門[Forest Insects and Animals]
| 日付 | 2024年3月10日 |
|---|---|
| 開始時刻 | 15:45 |
| 会場名 | 332 |
| 講演番号 | L14 |
| 発表題目 | 寄生生物観察のためのスズメバチ越冬女王の飼育 Rearing of overwintered queen hornet for the observation of parasite |
| 所属 | 森林総合研究所 |
| 要旨本文 | スズメバチの女王にはタマセンチュウやネジレバネなどが寄生することが知られている。スズメバチでは、巣を創設する1頭の女王から働きバチやオス、次世代の新女王が産出されるので、これらの寄生生物は女王を通じてスズメバチ全体の個体数の変化に影響を与えていると考えられる。従って、スズメバチ女王に寄生する生物の生態や宿主の行動に与える影響を調べることはスズメバチの個体数変動を考えるうえで重要である。しかし、一般に寄生を受けたスズメバチ女王の野外での観察は困難である。そこで、スズメバチ女王を飼育して、寄生生物の観察が可能であるか試みた。様々な試行の結果、プラスチック製の飼育容器に止まり木を入れ、紙タオルを通じて給水するとともに昆虫ゼリーを給餌する飼育方法が現時点では簡便であると判断した。この飼育方法で、個体差はあるものの寄生を受けていない健全なスズメバチ女王を1か月程度飼育できることが明らかになった。また、飼育中のスズメバチ女王から脱出する寄生バチの幼虫を観察した。これらから、この飼育方法は、スズメバチ女王とその寄生生物の観察に有効であると考えられた。 |
| 著者氏名 | ○小坂肇1 ・ 佐山勝彦2 ・ 神崎菜摘3 ・ 牧野俊一1 |
| 著者所属 | 1国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所 ・ 2国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所九州支所 ・ 3国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所関西支所 |
| キーワード | 真社会性狩りバチ, 誘引餌, 寒冷地 |
| Key word | eusocial wasp, bait trap, cold region |