第135回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
動物・昆虫部門[Forest Insects and Animals]
日付 | 2024年3月10日 |
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開始時刻 | 10:00 |
会場名 | 332 |
講演番号 | L3 |
発表題目 | 60年前の風倒後の倒木搬出が現在のシカの景観スケールでの分布に与える影響 Impact of salvage logging following a windfall 60 years ago on current deer distribution at landscape scale |
所属 | 東京大学 |
要旨本文 | 北八ヶ岳では、1959年の伊勢湾台風後、倒木搬出をした場所ではササ草原が大きく拡大した。そのササ草原が現在のシカの主要な採餌場所となっていると考えられる。本研究では、伊勢湾台風前から現在の草原の分布変化を明らかにし、現在の草原の分布が景観スケールでのシカの分布や樹木への樹皮剥ぎに与える影響を検証した。調査地は、北八ヶ岳麦草峠周辺の4×5km程度の区域を対象とした。対象地内の森林50箇所に2×50mのライントランセクトを設置し、糞塊数を計数した。うち25箇所のトランセクトでは、胸高直径5cm以上の樹木の胸高直径および樹皮剥ぎの有無を記録した。各トランセクトの林床は、ササ型、グラミノイド型、コケ型に大別された。糞塊密度は、ササ型、グラミノイド型、コケ型林床の順で高かった。各トランセクトから一定距離以内の草原面積と樹皮剥ぎ率の関係を解析した結果、周辺の草原面積が多いほど樹皮剥ぎ率が高く、2.3km以内の草原面積が最も説明力が高かった。また、樹皮剥ぎ率は糞塊密度が高いほど高かった。これらの結果は、60年以上前の風害とその後の倒木搬出によって拡大したササ草原が、現在のシカの分布や利用頻度にも影響していることを示している。 |
著者氏名 | ○鈴木智之1 ・ 小山泰弘2 ・ 西村尚之3 |
著者所属 | 1東京大学大学院農学生命科学研究科附属演習林北海道演習林 ・ 2長野県林業総合センター ・ 3群馬大学社会情報学部 |
キーワード | ニホンジカ, 糞塊密度, 樹皮はぎ, 北八ヶ岳, 伊勢湾台風 |
Key word | Cervus nippon, Fecal pellet group density, bark stripping, Northern Yatsugatake, Isewan typhoon |