第135回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
動物・昆虫部門[Forest Insects and Animals]
日付 | 2024年3月10日 |
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開始時刻 | 10:15 |
会場名 | 332 |
講演番号 | L4 |
発表題目 | 皆伐・植栽地及びその周辺を利用するニホンジカの行動 Behavior of sika deer in clear-cut areas, plantations, and their surroundings |
所属 | 静岡県西部農林事務所 |
要旨本文 | 収穫期を迎えた人工林の主伐・再造林を進める上で、植栽木を加害するシカの存在が大きな障害となっている。皆伐・新植地とその周辺を利用するシカの行動を把握した上で、対策を講じる必要がある。そこで、2016年から静岡県浜松市天竜区佐久間町・龍山町の皆伐・新植地周辺で、15頭のシカにGPS首輪発信機を装着して追跡した。このうちのメス6頭が、防獣ネット(超高分子量ポリエチレン繊維混撚)柵の設置された新植地に侵入した。侵入は高い頻度で継続したことから、新植地はシカを誘引していると考えられた。一方で、柵修繕後は侵入が停止したことから、シカに対するネット柵の効果は高く、シカの柵突破能力や突破欲は低いと考えられた。しかし、牙でネットを切断し鼻先で裾をめくり上げ杭を引き抜くイノシシの突破能力はシカよりも高く、ネット柵の効果はイノシシの行動次第でもあった。新たな対策として、歯のエナメル質よりも硬い硬質ステンレス鋼線を混撚してネットを強化し、ネットを地面に固定する杭に替えて地際部分にワイヤーロープを緊張させることでめくり上げ侵入も抑止する「高強度ネット工法」が開発・製品化され、現場実装を開始した。 |
著者氏名 | ○大場孝裕 |
著者所属 | 静岡県西部農林事務所天竜農林局 |
キーワード | ニホンジカ, 行動圏, 防護柵, 皆伐・植栽地, GPS首輪 |
Key word | sika deer, home range, protective fence, clear-cutting and planting area, GPS collar |