第135回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

動物・昆虫部門[Forest Insects and Animals]

日付 2024年3月10日
開始時刻 11:15
会場名 332
講演番号 L7
発表題目 野外におけるイソプレンのカシノナガキクイムシ誘引効果
Attractive effect of isoprene to the ambrosia beetle Platypus quercivorus in the field
所属 兵庫農技総セ
要旨本文 カシノナガキクイムシは多様な森林内で何を手がかりに寄主を探索しているのか、その一次誘引物質は明らかにされていない。主要な寄主樹種であるミズナラ・コナラはイソプレン放出種であり、Y字管を用いた室内実験では誘引効果が確認されたことから、イソプレンが有力な候補である。そこで、イソプレン放出トラップを用いて、屋外でカシノナガキクイムシの誘引を試みた。試験は兵庫県宍粟市の森林林業技術センター場内で行った。トラップは、塩ビ管を継いだ6mの支柱の先端にイソプレンを浸ませた除湿シートを張り、基部にエタノール蒸散剤とカシナガコールと粘着トラップを取り付けたものとした。イソプレンの有無、エタノールの有無で計4試験区を設定し、2021年から2023年までの3年間のカシノナガキクイムシ羽化脱出シーズンに、3日から10日間隔で計21回、試験区の場所を変えながら試験を繰り返した。その結果、イソプレンとエタノールを設置したトラップで186頭、イソプレンのみのトラップで23頭、エタノールのみのトラップで189頭、何も設置していないトラップで16頭の捕獲があった。エタノールの誘引効果は認められたが、イソプレンの誘引効果は認められなかった。
著者氏名 ○伊東康人1 ・ 山崎理正2
著者所属 1兵庫県農林水産技術総合センター森林林業技術センター ・ 2京都大学大学院農学研究科
キーワード ナラ枯れ, エタノール, 粘着トラップ
Key word Japanese oak wilt, Ethanol, Sticky sheet trap