第135回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
動物・昆虫部門[Forest Insects and Animals]
日付 | 2024年3月10日 |
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開始時刻 | 14:15 |
会場名 | 332 |
講演番号 | L9 |
発表題目 | ビロウドカミキリの選好性樹種 Host preference of Acalolepta fraudatrix |
所属 | 石川県農林総合研究センター林業試験場 |
要旨本文 | ビロウドカミキリ属は国内に17種が分布しほとんどの種が広葉樹のみを選好するが、ビロウドカミキリ他1種はマツも寄主とする。近年、アカマツを寄主とする本種から便乗線虫であるBursaphelenchus douiや共生細菌のボルバキアが発見・研究されているものの、本種の選好性樹種としてのアカマツのポテンシャルについては未知であった。2022年5~6月に白山市鴇ケ谷林縁に伐倒直後のアカマツ丸太35本(平均直径6.9cm)を集積し本種に産卵させた。翌年6~7月に35頭の成虫が脱出した。捕獲した成虫は餌としてのアカマツ枝条、産卵床としてのアカマツ丸太を入れた飼育ケースに移動し飼育を行った。成虫は枝条の樹皮を後食し、交尾と産卵が確認された。成虫脱出後の2022年丸太の剥皮割材調査では2~3年世代の幼虫も見つかり、1年世代と合計で110頭が確認された。これらの丸太での生育密度は9.9/m2であり、2023年に脱出した個体に産卵させた2023年丸太の生育密度は46.1/m2であった。このためアカマツは①本種が野外で産卵し生育する樹種、②生息密度が高い樹種、③成虫が後食し性成熟する樹種であり、フトカミキリ亜科種群でみられる選好性樹種としての条件を満たした。 |
著者氏名 | ○江崎功二郎1 ・ 相川拓也2 |
著者所属 | 1石川県農林総合研究センター林業試験場 ・ 2国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所東北支所 |
キーワード | ビロウドカミキリ, 寄主選好性, 成虫脱出, 後食, 産卵 |
Key word | Acalolepta fraudatrix, host preference, adult emergence, adult feeding, oviposition |