第135回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
微生物部門[Forest Microbes]
日付 | 2024年3月10日 |
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開始時刻 | 9:30 |
会場名 | 331 |
講演番号 | M1 |
発表題目 | Phyllosticta sphaeropsoideaによるトチノキ斑葉病 (新称) Occurrence of leaf blotch on Aesculus turbinate caused by Phyllosticta sphaeropsoidea. |
所属 | 東京農業大学 |
要旨本文 | トチノキ (Aesculus turbinata Blume) はムクロジ科トチノキ属の落葉広葉樹で、観賞緑化樹として公園や並木道に植栽されている。2021年7月、東京都八王子市南大沢に街路樹として植栽されているトチノキにおいて、葉に褐斑症状を呈する病害が確認された。本病害は街の景観を著しく損なわせるほか、早期落葉、さらには樹勢の衰退による落枝や倒木の危険性を伴うと考えられた。病徴は、はじめ葉に小斑点を形成、やがて病斑は拡大、融合し、不整形で茶褐色の褐斑となった。病徴内には小黒点の分生子殻が形成され、内部の分生子から単胞子分離による純粋分離菌株を確立した。本菌株の病原性を確認するため、本菌株由来の分生子を接種源とし、トチノキの苗木に対する接種試験を行った。接種から約1ヶ月後に原病徴を再現し、罹病葉からは接種菌が再分離され、病原性が確認された。本菌の種同定を行ったところ、形態学的特徴およびrDNA ITS領域の塩基配列解析から、Phyllosticta sphaeropsoidea Ellis & Everhと同定された。以上の結果から、P. sphaeropsoideaによるトチノキの病害をトチノキ斑葉病(英名:leaf blotch)と提案する。 |
著者氏名 | ○富澤千晶 ・ 本橋慶一 |
著者所属 | 東京農業大学国際食料情報学部 |
キーワード | Japanese horse chestnut, 新病害, 病原性, 植物病原菌, ムクロジ科 |
Key word | Japanese horse chestnut, new disease, pathogenicity, plant pathogenic fungi, Sapindaceae |