第135回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
微生物部門[Forest Microbes]
日付 | 2024年3月10日 |
---|---|
開始時刻 | 10:00 |
会場名 | 331 |
講演番号 | M3 |
発表題目 | Quercus属の樹液に見られる酵母の種多様性 Species diversity of yeasts grown in sap of Quercus trees |
所属 | 理化学研究所 |
要旨本文 | 初夏~秋に、コナラやクヌギの樹幹に樹液が滲出している様子はよく観察される。樹液中の酵母(樹液酵母)の存在量について、定量的に詳細に解析した研究は国内外を問わず無いため、樹液酵母を分離し菌種の特定と存在量の定量を行った。 2019年7月、2021年7月、2023年3月に福島市内でコナラおよびミズナラの樹液計18サンプルを採取し、希釈平板法により樹液から菌類を分離した。分離培地上のコロニーを目視により識別・計数した後、画線による純化を行って菌株を確立した。MALDI-TOF MSによって識別の確かさを検証して代表株を選定した後、LSU rRNA遺伝子D1/D2領域の塩基配列の相同性から菌種を推定した。 その結果、2023年3月の検体で最大6.0x106 CFU/樹液μlの酵母が検出された。早春の樹液にも極めて多数の酵母が棲息していることがわかった。多くの樹液サンプルで、子嚢菌酵母Saccharomyces cerevisiae, S. paradoxus, Torulaspora delbrueckii, Hanseniaspora osmophila, Zygotorulaspora cornina などが様々な組み合わせで優占していた。樹液からは計30種以上の多様な子嚢菌酵母が検出され、樹液に集まる昆虫の多様性を反映している可能性が考えられた。 |
著者氏名 | ○遠藤力也 ・ 大熊盛也 |
著者所属 | 理化学研究所バイオリソース研究センター |
キーワード | 樹液酵母, 好樹液性昆虫, 酵母生態 |
Key word | sap yeast, sap insects, yeast ecology |