第135回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
微生物部門[Forest Microbes]
日付 | 2024年3月10日 |
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開始時刻 | 10:30 |
会場名 | 331 |
講演番号 | M4 |
発表題目 | 御嶽山の優占針葉樹3種における外生菌根菌の群集構造と生育への影響 Community structure of Ectomycorrhizal fungi in dominant conifers on Mt.Ontake and its effect on tree growth |
所属 | 名古屋大学大学院 |
要旨本文 | 外生菌根菌(以下、菌根菌)は土壌養分の吸収を補助することで樹木の成長を促進し、その能力は菌種によって異なる。そのため、複数の樹種が同所的に生育する林分における菌根菌の群集構造を把握することは、樹木の多種共存を理解するうえで重要である。本研究では御嶽山の亜高山帯針葉樹林に優占するオオシラビソ、トウヒおよびコメツガを対象に、菌根菌群集が樹木の生育に与える影響を解明するため、幼樹に形成された菌根菌の群集構造について調べた。2023年9月に3樹種の幼樹(樹高1.5~3m程度)の根の一部を採取し、菌根の形態およびDNA解析により定着する菌根菌の種同定を行った。また、当年葉を採取し、葉の窒素およびリン濃度を定量した。菌種同定の結果、17属を含む42分類群に分類され、樹種間で菌根菌分類群組成に有意な差が見られた。オオシラビソではLactarius sp.4、トウヒではTylospora sp.2、コメツガではCenococcum sp.が最優占した。また、GLMMを用いた解析の結果、菌根菌分類群組成の違いが宿主樹木の葉の窒素およびリン濃度に影響を与えていることが分かった。以上より、菌種ごとの養分獲得能力が、樹木の葉の養分濃度を左右する可能性がある。 |
著者氏名 | ○高津柊大1 ・ 戸丸信弘1 ・ 松田陽介2 ・ 西村尚之3 ・ 中川弥智子1 |
著者所属 | 1名古屋大学大学院生命農学研究科 ・ 2三重大学大学院生物資源学研究科 ・ 3群馬大学社会情報学部 |
キーワード | 菌根共生, 亜高山帯針葉樹林, 樹木の生育 |
Key word | mycorrhizal symbiosis, subalpine coniferous forest, tree condition |