第135回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
特用林産部門[Non-Wood Forest Products]
日付 | 2024年3月10日 |
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開始時刻 | 14:15 |
会場名 | 331 |
講演番号 | N1 |
発表題目 | マツタケ子実体発生量と期間別降水量の相関 Correlation between the amont of fruiting bodies of Tricholoma matsutake and precipitation of period |
所属 | 長野県林業総合センター |
要旨本文 | マツタケの発生には原基形成期となる9月の降水が強く影響する。ただし一部生産者は経験上、8月の降水も影響があるとするが、9月以外の降水と発生についての科学的検証例は少ない。また、近年特に多い不順な降雨条件下において生産現場では、少雨傾向時に林地散水により安定的な生産を試みる者もいる。この林地散水は一般に有効とされるが、具体的な散水時期や量などの検証はなされておらず、詳細な解析が必要である。 そこで本研究では、長野県の地域別マツタケ生産量、およびマツタケ試験地の発生量と直近地の降水量の相関を重回帰分析により解析した。その結果、地域別生産量、試験地発生量のそれぞれは、8月および9月の降水量と有意な正相関を示し、さらに一部試験地の発生量は10月中旬の降水量とは有意な負相関を示した。この正相関はマツタケ菌糸体の成長と原基形成の促進によるもので、負相関は降水により地中温度が下がり子実体発生期間の終了を早めたためと、それぞれ推察された。 これら結果を基に、今後は林地散水の時期や量などの技術開発を通じ、マツタケの安定生産につなげたい。 |
著者氏名 | ○古川仁1 ・ 片桐一弘1 ・ 山田明義2 |
著者所属 | 1長野県林業総合センター ・ 2信州大学山岳科学研究所 |
キーワード | 菌根性きのこ, 気象環境, 長野県 |
Key word | mychorrhizal mushroom, meteorological environment, Nagano prefecture |