第135回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

林政部門[Forest Policy]

日付 2024年3月10日
開始時刻 ポスター発表
会場名 541
講演番号 PA-17
発表題目 地方政府はなぜ林業公社を廃止しなかったのか
Why some local governments did not discontinue Forestry Public Corporations
所属 岩手県立大学
要旨本文 全国のほとんどの都道府県は1960-70年代に造林公社・林業公社といわれる法人を設立し、分収造林事業を行ってきたが、2000年前後には各地の公社の債務超過が問題視され、2022年現在で14公社が廃止された。その一方で債務超過にもかかわらず、存続されかつ事業のウイングを広げ得る公社がなぜ存在するのかが本研究の問いである。研究対象事例は徳島森林づくり推進機構(旧徳島公社)、滋賀県造林公社である。うち前者では1)県内民有林所有形態は大規模所有者の私有林が卓越しており林業における森林組合(単組)の位置付けが比較的小さかったこと、2)2000年前後の公社を対象とした補助金上乗せ事業や交付金事業に前向きに取り組み職員の技能育成や土地所有者との意思疎通を図ったこと、3)2004年以降副知事が県内の林業再生に積極的であったこと、4)同時期からの企業募金の積極的な呼びかけが奏功したこと、5)同時期に県に企業から10億円の寄付がありこれを原資として公有林化政策が進められたことが挙げられる。
著者氏名 ○泉桂子
著者所属 岩手県立大学総合政策学部
キーワード 林業公社, 累積債務, 地方政府
Key word Forestry Public Corporations, accumulated debt, local governments