第135回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

林政部門[Forest Policy]

日付 2024年3月10日
開始時刻 ポスター発表
会場名 541
講演番号 PA-18
発表題目 「官報」に報告された明治期日本の森林被害
Forest damages in Japan in the Meiji era reported in Official Gazette
所属 森林研究・整備機構 森林総合研究所
要旨本文 病虫獣害などの森林被害の対策を立案するには、その地域の過去の被害の有無や被害量の推移を把握する必要がある。個別の病虫獣害に関する情報は、第二次世界大戦後は「森林防疫ニュース」「森林防疫」誌に随時掲載されているが、第二次世界大戦以前の被害についてはまとまった資料がない。一方、明治期の「官報」には個別の森林被害に関する記事が随時掲載されていた期間がある。今回、明治期の日本における森林被害の実態を把握するため、この期間の「官報」の調査を行なった。「官報」の刊行が開始された1883(明治16)年から1912(明治45・大正元)年までの全ての「官報」を、国立国会図書館デジタルコレクションで精査し、病虫獣害以外も含む森林被害に関する情報を抽出した。調査した8,893号の官報上には、重複を除いて1,845件の森林被害が報告されていた。その大部分は火災であり(1,339件)、次いで気象害(312)、病虫獣害(110件)、山地災害(72件)の順に件数が多かった。火災以外は明治後期になるとほとんど報告されなくなったが、これは被害の減少より掲載方針の変化によるものと思われる。
著者氏名 ○高畑義啓
著者所属 国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所北海道支所
キーワード 森林被害, 森林害虫, 山火事, 気象害
Key word forest damage, forest pest, forest fire, meteorological damage