第135回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
造林部門[Silviculture]
日付 | 2024年3月8日 |
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開始時刻 | ポスター発表 |
会場名 | 531 |
講演番号 | PE-11(学生ポスター賞審査対象) |
発表題目 | ビートパルプ給餌がシカ嗜好性樹種の樹皮はぎ被害と個体群構造に与える影響 Effects of beet pulp feeding on bark stripping damage and population structure of deer preferred tree species |
所属 | 東京農業大学 |
要旨本文 | 道東の代表的なエゾシカの越冬地である阿寒湖周辺の森林では、嗜好性樹種を中心とした甚大な被害が1980年代をピークに続いており、1990年代から様々なシカ被害対策が継続されている。しかし、小径木個体数は30年前よりも減少しており、嗜好性樹種の更新が停滞している。本研究では、被害対策の一つであるビートパルプ給餌の育林効果を検証するため、給餌場から5km圏内に分布する樹木個体群を調査した。阿寒湖周辺に設置した25箇所の1ha調査区においてシカ嗜好性樹種を毎木調査し、各調査区からビートパルプ給餌場までの距離、個体群構造およびシカによる樹皮はぎ被害状況との関係を解析した。給餌場から0.5~2kmの圏内では、給餌場からの距離が近い程本数基準被害率が低く小径木(胸高直径20㎝以下)の割合が高い傾向を示した。更に、当年樹皮はぎ率を予測する一般化加法混合モデルの結果では、給餌場から4kmまでの圏内では、給餌場からの距離が近い程当年樹皮はぎ率が低い傾向が示された。このことから、給餌場からの距離が数キロ程度の範囲では、ビートパルプ給餌は樹皮の代替餌資源として機能し、樹木被害を抑制することで個体群の保全に寄与している可能性が示唆された。 |
著者氏名 | ○多田雄治郎1 ・ 須藤駿一1 ・ 時田勝広2 ・ 岡田慶一1 |
著者所属 | 1東京農業大学生物産業学部 ・ 2前田一歩園財団 |
キーワード | 天然更新, 更新阻害, 給餌, 個体数管理, 食害対策 |
Key word | natural regeneration, regeneration inhibition, feeding, population management, damage control measures |