第135回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
造林部門[Silviculture]
日付 | 2024年3月8日 |
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開始時刻 | ポスター発表 |
会場名 | 531 |
講演番号 | PE-12(学生ポスター賞審査対象) |
発表題目 | キイチゴ類が繁茂した南アルプス大規模雪崩跡地の高木種実生の更新状況 Regeneration of tall tree species at the large avalanche site in Minami-Alps where Rubus spp. grows in abundance. |
所属 | 信州大学 |
要旨本文 | 日本の山岳域では地球温暖化の影響により雪崩の大規模化が危惧されている。雪崩後の森林回復に関する知見の蓄積が求められるが,大規模雪崩は発生頻度が低いため研究事例が限られる。2017年に大規模雪崩が発生した南アルプス藪沢雪崩跡地の大部分では,現在,キイチゴ類が繁茂している。このような事例の報告はなく,それらが森林回復に及ぼす影響は明らかではない。そこで本研究では、亜高山帯林高木種実生に対するキイチゴ属群落の影響を明らかにすることを目的とした。雪崩跡地を横断するようにラインプロットを3本設置し、ライン上に1m×1mの方形区を計88個設置した。2022年と2023年に調査を行い,方形区に含まれたコメツガ,シラビソ類,トウヒ,カラマツ,ダケカンバの後生実生個体数とキイチゴ類被覆率および群落高を測定した。キイチゴ類被覆率とキイチゴ類群落高が方形区に含まれる実生数に及ぼす影響を検討するために樹種毎に解析を行った(GLMM)。その結果、全ての樹種でキイチゴ類群落高の効果は見られなかったが,キイチゴ類被覆率の負の効果が見られた。以上より、雪崩跡地に繁茂するキイチゴ類が樹木実生の更新を阻害している可能性が考えられた。 |
著者氏名 | ○永田紘夢1 ・ 城田徹央2 ・ 岡野哲郎2 |
著者所属 | 1信州大学大学院総合理工学研究科 ・ 2信州大学農学部 |
キーワード | 大規模雪崩跡地, 亜高山帯針葉樹林, キイチゴ類, 年々変動 |
Key word | Large-scale avalanche site, Subalpine coniferous forest, Rubus spp., Annual fluctuation |