第135回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
造林部門[Silviculture]
日付 | 2024年3月8日 |
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開始時刻 | ポスター発表 |
会場名 | 531 |
講演番号 | PE-14(学生ポスター賞審査対象) |
発表題目 | 林冠が再閉鎖した壮齢ヒノキ人工林におけるムラサキシキブの樹形の構造特性 The architectural characteristics of Callicarpa japonica in a mature Chamaecyparis obtusa stand with a reclosed canopy |
所属 | 信州大学 |
要旨本文 | 低木の、光環境の劣化に対する適応方法の一つに樹形変化がある。強度間伐後約20年の、林冠が再閉鎖した約80年生ヒノキ人工林の低木層構成種の多くが、樹冠を水平方向に広げ重なりを避けたのに対し、ムラサキシキブはむしろ樹冠が縦長になり、葉量を増加させていた(久保島 2016)。これについて、単に暗い環境に有利な樹形への移行が遅い可能性と、縦長の樹形で適応している可能性があったが、2023年の計測から樹冠が縦長になる傾向がより顕著に認められ、前者は否定された。ムラサキシキブの樹形形成様式はChampagnatであり、樹冠クラスターに該当するアーキテクチャユニット(AU)が積み上げられながら樹冠が発達する。これらユニットの水平面の重なりを求めたところ、樹冠下部で大きくなる傾向があったが、多くのユニットが存在する樹冠上部では重なりは小さかった。さらにユニットの重なりの大きさと葉数に有意な関係は見られなかった。つまりムラサキシキブは①ユニットが空間的に独立する樹冠クラスター構造である、②同一階層での重なりが最小限に抑制され異なる階層では隙間が十分にある、③その結果、光透過可能なクラスター構造が成立していることが考えられた。 |
著者氏名 | ○牧嵜遼詩 ・ 城田徹央 ・ 岡野哲郎 |
著者所属 | 信州大学農学部 |
キーワード | 樹形, 樹冠構造, ムラサキシキブ |
Key word | Tree form, Canopy architecture, Callicarpa japonica |