第135回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

造林部門[Silviculture]

日付 2024年3月10日
開始時刻 ポスター発表
会場名 531
講演番号 PE-16
発表題目 切り残した幹の伐採がコナラ萌芽枝の生残と成長に与える影響
Effects of cutting down remaining trunks on the survival and growth of Quercus serrata sprouts
所属 新潟県森林研究所
要旨本文 コナラを主林木とする旧薪炭林の利活用が望まれている。しかし現在その多くが高齢、大径化しており、萌芽能力の低下や、伐採株の枯死率が高くなるなど、皆伐後の萌芽更新が困難な状況となっている。本報告では、高齢コナラ二次林において、株立ちの幹を一部残して伐採し、萌芽枝の発生を確認した数年後に切り残した幹を伐採する方法が、その後の萌芽枝の生残、成長、及び伐採株の生残に与える影響を調査し、萌芽更新手法としての有効性を検討した。調査は新潟県村上市のコナラ二次林で実施した。株立ちのコナラ14個体を対象とし、2013年に、7個体は幹を1本残し、残りの7個体は全ての幹を伐採した。そして、2018年に切り残した幹を全て伐採した。その後2019~2023年にかけて、萌芽枝及び伐採株の生残とサイズを調査した。その結果、2018年の伐採後は新たな萌芽がほぼ確認されず、2023年での萌芽枝の生残率は、切り残した幹の有無にかかわらず同程度であった。萌芽枝の根元断面積及び樹高の調査期間中の成長量は、切り残した幹を伐採した個体で大きい傾向があった。伐採株の枯死はどの個体でも確認されなかったことから、本手法の萌芽更新における有効性が示唆された。
著者氏名 ○伊藤幸介1 ・ 柴田嶺2 ・ 塚原雅美1
著者所属 1新潟県森林研究所 ・ 2新潟大学農学部
キーワード コナラ, 萌芽枝, 萌芽更新, 二次林
Key word Quercus serrata, Sprouts, Sprout regeneration, Secondary forest