第135回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
造林部門[Silviculture]
日付 | 2024年3月10日 |
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開始時刻 | ポスター発表 |
会場名 | 531 |
講演番号 | PE-21 |
発表題目 | ヘリコプターによる殺そ剤散布とエゾヤチネズミの駆除効果 Effect of exterminating grey red-backed voles by spraying rodenticide by helicopter |
所属 | 道総研 林業試験場 |
要旨本文 | 北海道ではエゾヤチネズミによる林木被害防除のために、毎秋、造林地に殺そ剤(リン化亜鉛1%粒剤)を散布している。殺そ剤散布は大面積を一斉防除できることからヘリコプターによる空中散布が全体の8割前後を占めているが、これまで野ネズミ被害が発生するたびに殺そ剤の駆除効果に対する疑念が持たれてきた。そこで本研究では2021年、2022年10月にカラマツ幼齢林内において空中散布による殺そ剤の落下量を把握するとともに、造林地内に生け捕りワナを設置し、殺そ剤散布前後の野ネズミの生息状況を調査した。殺そ剤の落下量は、2021年が0.165kg/ha、2022年が0.267kg/haであった。捕獲調査ではエゾヤチネズミ、エゾアカネズミおよびヒメネズミの3種が捕獲されたが、いずれのネズミも造林地に集積された枝条内に偏って捕獲された。また、散布後のエゾヤチネズミの捕獲数は2021年が散布前の42.9%、2022年が58.3%に留まった。これらのことから、殺そ剤の空中散布によるエゾヤチネズミの駆除効果は認められたものの、枝条集積地など野ネズミの好適な環境が存在し、エゾヤチネズミの分布が偏っている場合には防除効果が落ちると考えられた。 |
著者氏名 | ○南野一博 ・ 雲野明 ・ 明石信廣 |
著者所属 | 北海道立総合研究機構森林研究本部林業試験場 |
キーワード | 樹木被害, リン化亜鉛1%粒剤, 枝条 |
Key word | Tree damage, 1% zinc phosphide pellets, Branches |