第135回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

造林部門[Silviculture]

日付 2024年3月10日
開始時刻 ポスター発表
会場名 531
講演番号 PE-23
発表題目 大台ヶ原の防鹿柵内におけるササの坪刈停止8年後のトウヒ稚樹の生残と成長
Survival and growth of spruce saplings after stopping undershrub clearance for 8 years inside fence at Mt Ohdaigahara
所属 三重大学大学院
要旨本文 大台ヶ原正木峠の防鹿柵内では,繁茂したササの被圧によってトウヒ天然稚樹の成長が抑制されている.被圧された稚樹の成長を促進するためには,稚樹周囲のササの刈り払いを行う必要がある.地上部を刈り払われてもササの根茎からは毎年春に多数の稈が出るため,稚樹がササ稈高を超えるまで長期間の継続的な刈り払いを行うことが望ましい.一方,稚樹がササ稈高よりも大きく育つまでには時間を要することから,現実的にはササ刈り払い停止を余儀なくされることがあるであろう.ササなどの下層植生の除去が,稚樹の生残と成長に対して正の影響を及ぼすことを示した研究は数多くあるものの,継続的に行われた下層植生除去の停止が,下層植生よりも低い稚樹の生残と成長に及ぼす影響については不明である.そこで今回,2007年から2015年の8年間にトウヒ稚樹周囲のササ坪刈が毎年1回行われた稚樹を対象に,生死,樹高,幹直径,樹冠幅ならびにササの稈高および被度などについてササ坪刈停止8年後の2023年に測定し,それらをササ坪刈が施されてこなかった稚樹と比較した.ササ刈り停止後,ササ稈高は対照区のものと差が認められないまでに上昇したが,被度は低いままであった.
著者氏名 ○木佐貫博光1 ・ 森壮汰2 ・ 鳥丸猛1 ・ 印南英彦1
著者所属 1三重大学大学院生物資源学研究科 ・ 2三重大学生物資源学部
キーワード トウヒ稚樹, 大台ヶ原, ササ除去, 処理停止
Key word spruce sapling, Ohdaigahara, sasa clearance, renunciation of treatment