第135回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

造林部門[Silviculture]

日付 2024年3月10日
開始時刻 ポスター発表
会場名 531
講演番号 PE-43
発表題目 半島マレーシアにおけるフタバガキ科樹木の葉と材の形質特性と成長の関係
Relationships between growth and functional traits of leaf and wood in dipterocarp trees in Peninsular Malaysia
所属 国際農林水産業研究センター
要旨本文 フタバガキ科樹木は木材資源としてこれまで天然林から供給されてきた。しかし、過度の伐採が原因で資源量が低下し、植林による資源回復が求められている。フタバガキ科樹木は東南アジアだけで約500種が知られ、種による成長速度も大きく異なることから、植栽試験が行われていない多くの樹種については成長予測が難しかった。葉や材の形質は生理機能を反映し、環境ストレスへの耐性など生態的な特性とも関連するため成長予測の指標となると考えられる。そこで本研究ではマレーシア・ペラ州に植栽した16種のフタバガキ科樹木の成長と、葉や材の形質の関係を調べた。形質のうち、葉面積当たりの窒素含有量と直径成長には正の相関が、材密度と直径成長には負の相関がみられたが、樹高成長との間には有意な相関は無かった。葉の窒素量が大きいと光合成速度が高くなり、材密度が小さいほど少ない炭素資源で材を形成できることから、直径成長と相関したと考えられた。これらから、葉や材の形質からフタバガキ科樹木の直径成長の予測が可能であることが示唆されたが、樹高成長に関してはさらなる検討が必要と考えられた。
著者氏名 ○田中憲蔵1 ・ 米田令仁2 ・ Azani, Alias Mohamad3 ・ Nur Hajar, Shari Zamah4
著者所属 1国際農林水産業研究センター ・ 2国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所四国支所 ・ 3マレーシアプトラ大学 ・ 4マレーシア森林研究所
キーワード フタバガキ, 機能形質, 成長, LMA, 窒素
Key word Dipterocarpaceae, functional traits, growth, LMA, nitrogen