第135回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
造林部門[Silviculture]
日付 | 2024年3月10日 |
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開始時刻 | ポスター発表 |
会場名 | 531 |
講演番号 | PE-45 |
発表題目 | 林冠ギャップ形成後の低木層による被陰はブナ天然更新を阻害するのか? Does shading by understory trees and shrubs under canopy gaps inhibit natural regeneration of beech? |
所属 | 新潟大学 |
要旨本文 | 林冠ギャップ下におけるブナ天然更新の成否や速度は競合植物による被陰に影響される。多雪地に広がるブナ二次林の多くは主要な競合植物であるササは少ないが、代わりに発達した低木層が更新を阻害する可能性がある。本研究は林冠ギャップ下において低木層を構成する樹種・樹高・個体数密度がブナ実生に到達する光量および成長量・生存率に与える影響を明らかにする。調査は魚沼市大白川ブナ二次林の林冠ギャップにて実施した。2019年春に芽生えたブナ実生195個体の成長量と生残を2023年まで毎年調査した。また、各ブナ実生の樹冠上の光量(春・夏)および樹冠を被陰している樹種・樹高・個体数、そして低木層の各樹種の春の展葉時期と葉の形質をそれぞれ調査した。春・夏の光量はいずれも低木層の個体数が多く樹高が高いほど減少した。加えて、春は展葉の早い樹種ほど、夏は葉面積の大きい樹種ほど光量の減少に大きく影響した。春の光量の減少は生存率の低下、夏の光量の減少は成長量の低下にそれぞれ影響した。以上より、ブナの更新は低木層の発達に伴う光量減退により阻害され得るが、その影響の大きさは樹種・樹高・個体数密度により異なることが示唆された。 |
著者氏名 | ○柴田嶺1 ・ 阿部彩里2 ・ 塚原雅美3 ・ 伊藤幸介3 |
著者所属 | 1新潟大学農学部 ・ 2新潟大学理学部 ・ 3新潟県森林研究所 |
キーワード | ギャップ更新, 光獲得競争, フェノロジー, 機能形質, 二次林 |
Key word | Gap regeneration, Competition for light, Phenology, Functional traits, Secondary forest |