第135回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
造林部門[Silviculture]
日付 | 2024年3月8日 |
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開始時刻 | ポスター発表 |
会場名 | 531 |
講演番号 | PE-7(学生ポスター賞審査対象) |
発表題目 | 遺伝子発現から見た酢酸によるスギ苗の細根の吸水抑制機構の検討 Gene expression analysis on inhibited water uptake in fine roots of cedar seedlings by acetic acid application. |
所属 | 東京大学大学院 |
要旨本文 | スギ苗の根系に酢酸を施用すると、草本植物で確認される乾燥耐性誘導とは異なり、短時間で根の通水抵抗が高まることを明らかにし、酢酸がアクアポリンの通水機能を阻害する可能性を指摘した。本研究では、酢酸がアクアポリンの遺伝子発現を抑制するという仮説を設け、酢酸による吸水機能阻害機構を明らかにすることを目的とした。 スギ苗根系への50mmol/Lの酢酸施用による通水抵抗増大は、酢酸施用解除によって短時間で回復傾向を示し、水銀によるアクアポリンの通水機能阻害とは異なった。20と50mmol/Lの酢酸溶液または水を吸水させたスギ苗の細根からRNAを抽出し、RNA-seqを行った。アノテーションの結果、酢酸施用で発現量が減少するアクアポリン遺伝子が存在した。続いて、酢酸20と50mmol/L、クエン酸20mmol/L、ギ酸20mmol/L、HgCl21mmol/L、水(対照区)に根系を浸して、受光量を増やしながら経時的に細根を採取し、6個のアクアポリン遺伝子について定量PCRを行った。受光量の増加に伴う発現量の増加が対照区に比べて少ないアクアポリン遺伝子が酢酸施用で確認され、アクアポリン遺伝子の発現抑制が、酢酸施用による細根の吸水機能阻害の原因である可能性が示された。 |
著者氏名 | ○小林裕子1 ・ 黒河内寛之2 ・ 浅川修一1 ・ 吉武和敏1 ・ 丹下健1 |
著者所属 | 1東京大学大学院農学生命科学研究科 ・ 2国立科学博物館 |
キーワード | 蒸散, 通水抵抗, アクアポリン, 乾燥耐性, RNAシーケンス |
Key word | transpiration, water resistance, aquaporin, drought tolerance, RNA-Seq |