第135回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

遺伝・育種部門[Forest Genetics and Tree Breeding]

日付 2024年3月8日
開始時刻 ポスター発表
会場名 531
講演番号 PF-10(学生ポスター賞審査対象)
発表題目 磐越地域に分布するクロモジ2変種の遺伝構造と葉の形態
Genetic structure and leaf morphology in the two varieties of Lindera umbellata around Niigata and Fukushima areas
所属 新潟大学大学院
要旨本文 クスノキ科クロモジ属のクロモジは、虫媒花、鳥散布種子の雌雄異株の落葉低木である。枝葉に強い芳香を持つことから里山の森林資源として注目されており、苗木の植栽を行う自治体等が出てきている。クロモジは、本州の東北地方以南の太平洋側に分布し、北海道、東北および日本海側の地域には、クロモジよりも葉が大きい変種のオオバクロモジが分布する。太平洋側気候と日本海側気候の地域を併せ持つ福島県では、2変種の分布域が重なると考えられることから、種苗移動による遺伝子攪乱が懸念される。そこで、本研究では、福島県とその隣接県の合計16集団(福島県5集団、新潟県7集団、宮城県、茨城県、栃木県、千葉県の各1集団)445個体を対象として、地理的遺伝構造を調査した。また、このうち12集団について、集団あたり10-16個体(個体あたり約10枚)の葉面積を計測した。核SSRマーカー10座によるSTRUCTURE解析の結果、2つのクラスター(K=2)の地理的分布から明瞭な遺伝構造があることが示された。発表では、この遺伝構造と葉面積の結果について報告する。
著者氏名 ○吉川太一1 ・ 長谷川陽一2 ・ 内山憲太郎2 ・ 森口喜成3
著者所属 1新潟大学大学院自然科学研究科 ・ 2国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所 ・ 3新潟大学農学部
キーワード 葉の大きさ, 地理的変異, オオバクロモジ, マイクロサテライトマーカー, 種苗移動
Key word leaf size, geographic variation, Lindera umbellata var. membranacea, microsatellite marker, seed and seedling transfer