第135回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
遺伝・育種部門[Forest Genetics and Tree Breeding]
日付 | 2024年3月8日 |
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開始時刻 | ポスター発表 |
会場名 | 531 |
講演番号 | PF-14 |
発表題目 | 葉緑体DNAシーケンスによるキハダの系統地理 Phylogeographic analysis of Phellodendron amurense based on chloroplast DNA variation |
所属 | 国立研究開発法人森林研究・整備機構 森林総合研究所林木育種センター |
要旨本文 | キハダは北海道から九州に広く分布する落葉高木で薬用樹木であるが、比較的成長が早いため木材利用も期待される。本研究では遺伝的地域性の解明によって将来的な種苗移動ガイドライン作成に資するため、葉緑体ゲノムの変異について解析した。全国12地域由来の各6〜8個体、合計94個体について、葉緑体DNAの3領域をユニバーサルプライマーで増幅し、シークエンサーMinIONによって配列を決定した。モノヌクレオチドリピート部位の変異を除き、置換・挿入・欠失を評価したところ、13のハプロタイプが検出された。もっとも個体数が多いハプロタイプAは全地域で検出され、本州日本海側(秋田、長野、鳥取)ではAのみが見られた。Aより 1から4ヶ所が変異したハプロタイプが12種類検出され、うち2種類は北海道に、10種類は本州太平洋側を中心に(群馬、静岡、奈良、岡山、徳島、宮崎)分布していた。群馬と徳島からは各4種のハプロタイプが検出され、葉緑体ゲノムの多様性が高いことが示された。結果は昨年度本大会で発表した核SSRのStructure解析と傾向が一致し、日本のキハダは西南と北東で遺伝的に大きく分化していることが示唆された。 |
著者氏名 | ○稲永路子1 ・ 武津英太郎1 ・ 織部雄一朗1 ・ 高田直樹2 ・ 佐藤良介2 ・ 山田浩雄1 |
著者所属 | 1国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所林木育種センター ・ 2国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所森林バイオ研究センター |
キーワード | キハダ, 系統地理, 葉緑体DNA |
Key word | Amur corktree, Phylogeography, chloroplast DNA |