第135回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
遺伝・育種部門[Forest Genetics and Tree Breeding]
日付 | 2024年3月10日 |
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開始時刻 | ポスター発表 |
会場名 | 531 |
講演番号 | PF-20 |
発表題目 | ブナ林冠木の局所集団における一塩基多型の分布様式 Distributional patterns of single nucleotide polymorphism in a local population of beech canopy trees |
所属 | 三重大学 |
要旨本文 | 植物の局所集団内の遺伝的変異の分析には,マイクロサテライトやアロザイム等の自然選択に中立な遺伝マーカーが利用されており,繁殖特性や種子および花粉散布等の遺伝子分散による遺伝的構造の形成過程が解明されてきた.一方,アミノ酸配列に変化を生じさせる等で植物の機能形質に影響を及ぼす可能性のある遺伝的変異の局所集団内の実態解明への試みは立ち遅れている.本研究は,白山国立公園刈込池(福井県大野市)周辺の天然林に設置された1ha(100m×100m)の固定調査区内において,ブナ林冠木83個体を対象にMig-seq法を適用し,ブナのドラフトゲノムへマッピングすることで一塩基多型の検出を行った.検出された327個の一塩基多型座について,遺伝子構造アノテーション情報を用いてタンパク質機能への影響度を予測して分類した結果,いずれの影響度においても近距離の距離階級で有意な正の共祖係数が認められた.また,中立な遺伝的変異の空間分布から逸脱する遺伝子座が6座検出され,そのうちの一つはミスセンス変異であった.さらに本発表では,林分内の環境状態と一塩基多型の空間分布の相関分析と遺伝子機能のアノテーションを実施し,遺伝的変異の特徴を報告する. |
著者氏名 | ○鳥丸猛1 ・ 谷口文葉2 ・ 木佐貫博光1 ・ 戸丸信弘3 |
著者所属 | 1三重大学大学院生物資源学研究科 ・ 2三重大学生物資源学部 ・ 3名古屋大学大学院生命農学研究科 |
キーワード | ブナ, 一塩基多型, 非中立変異, 遺伝的構造 |
Key word | Beech, single nucleotide polymorphism, non-neutral variation, genetic structure |