第135回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

遺伝・育種部門[Forest Genetics and Tree Breeding]

日付 2024年3月8日
開始時刻 ポスター発表
会場名 531
講演番号 PF-6(学生ポスター賞審査対象)
発表題目 候補遺伝子アプローチを用いたブナ集団における自然選択の探索
Exploration of natural selection in Fagus crenata populations using the candidate gene approach
所属 名古屋大学大学院
要旨本文 近年、気候変動に対する森林樹木の適応性が懸念され、様々な樹種で適応的変異に関する研究が行われている。本研究では、ヨーロッパブナで報告されたストレス応答・フェノロジー関連50遺伝子領域を用いた候補遺伝子アプローチによって、ブナ集団において自然選択の探索を行った。材料として分布全域から選定した24集団を用いた。まず、50領域においてブナの参照ゲノム配列に対するプライマーの相同性、PCR増幅能、サンガーシーケンスの成否を精査し、13領域(319-850bp)を選定した。次に24個体(1個体/集団)を用いて13領域の塩基配列を決定し、データ解析を行った。各領域における塩基多様度(×10⁻³)は0.17-5.65、平均は2.85であり、また、Tajima’s Dは-0.2040-0.675で、10領域で負に偏り、過去の個体数増加の影響が示唆された。地理的な傾向が見られた2領域については、さらに解析個体数を増やし、(6~8個体/集団)、コアレセントシミュレーションを用いて、過去の個体群動態を考慮した中立性からの逸脱に関する検定を行った。1領域については、緯度勾配に沿って多型性が南方で高く、南部で平衡選択が示唆された。
著者氏名 ○佐藤駿祐1 ・ 戸丸信弘1 ・ 鳥丸猛2
著者所属 1名古屋大学大学院生命農学研究科 ・ 2三重大学大学院生物資源学研究科
キーワード 非同義置換, 一塩基多型, ブナ林, 適応的変異, 地理的変異
Key word nonsynonymous substitution, single nucleotide polymorphism, beach forest, adaptive variation, geographic variation