第135回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

遺伝・育種部門[Forest Genetics and Tree Breeding]

日付 2024年3月8日
開始時刻 ポスター発表
会場名 531
講演番号 PF-9(学生ポスター賞審査対象)
発表題目 熱帯アジア有用樹種・チークの遺伝構造と遺伝的環境関連性の解明
Genetic structure and its association with climatic environments, of Teak (Tectona grandis) in tropical Asia
所属 筑波大学大学院
要旨本文 チーク(Tectona grandis)は林業上最も価値の高い熱帯広葉樹の1つとして知られ、インドネシアではジャワ島を中心に盛んに植林・木材生産がなされている。また、少ない母樹から造林した遺伝的多様性の低いアカシアマンギウムの林が根腐れ病等により壊滅した例があり、遺伝的背景を考慮した植林は高い木材生産性のために重要とされている。インドネシアはチークの天然分布域外で現在植林されている個体は天然分布域のどの地域に由来するかは不明確且つ産地の環境適応性を無視してジャワ島での植栽に利用されていることから植林個体の遺伝的背景や環境適応性の解明が課題となっている。そのため産地試験林の天然生8集団、ジャワ島在来品種9集団を対象に大規模SNPデータを用いて遺伝構造の解明と環境適応的遺伝子の探索を行った。遺伝構造解析の結果、ジャワ島在来品種集団はラオス・ミャンマーの集団と近縁であることが分かった。環境適応的遺伝子の探索の結果548SNPが候補遺伝子として検出され、一部はmRNAの転写領域と連鎖不平衡の状態であることが分かった。加えて遺伝子頻度と気候データの勾配変化の差からインドで地域に局所適応した遺伝子を有する可能性が示唆された。
著者氏名 ○小沼佑之介1 ・ Eko Prasetyo2 ・ Widiyatno, Widiyatno3 ・ Sapto Indrioko3 ・ Mohammad Na'iem3 ・ 谷尚樹4 ・ 津村義彦5
著者所属 1筑波大学生命地球科学研究群 ・ 2ガジャ・マダ大学教育学部 ・ 3ガジャ・マダ大学林業学部 ・ 4国際農林水産業研究センター林業領域 ・ 5筑波大学生命環境系
キーワード 遺伝構造, 遺伝的環境適応, チーク, 熱帯有用樹種, 遺伝的多様性
Key word Genetic strucure, Genetic association with climatic environments, Tectona grandis, Tropical useful tree species, Genetic diversity