第135回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

生理部門[Tree Physiology]

日付 2024年3月8日
開始時刻 ポスター発表
会場名 531
講演番号 PG-1(学生ポスター賞審査対象)
発表題目 幹枝内クロロフィル量の樹種による違いと周皮透過率との関係
Species variations in stem and branch chlorophyll in relation to light transmittance of periderm
所属 静岡大学
要旨本文 光合成は葉だけでなく,幹や枝でも行われる.幹枝の光合成能力は樹齢や種によって異なると考えられているが葉と比べて研究は少なく,光合成能力の違いを決める要因は明らかでない.幹枝光合成の場は周皮の下にあり,周皮の色や表面形状は種や樹齢で異なる.幹枝内は非常に暗く、葉緑体が存在できない可能性があるため,光合成能力の器官,種による違いは,周皮の光透過率(TRperi)によって整理できると考えた.そこで,様々な樹種の枝や幹について周皮を透過する光とクロロフィル(chl)濃度の関係を調べ,上記の仮説を検証した.静岡大学南アルプスフィールドと大学キャンパスに生育する落葉広葉樹15種,常緑広葉樹6種について葉と枝,幹を採取し,周皮の光透過率の測定,幹の樹皮と枝全体のchl濃度を測定した.南アルプスの落葉樹について,TRperiは1.5∼25%であり,テツカエデが最も高くナツツバキで最も低かった.TRperiが高いほどchla/bが高く,生重量あたりのchl濃度が低かった.幹のTRperiは0.08∼20%で,ヒメシャラで高くテツカエデで低かった.TRperiが高いと,樹皮のchla/bと生重量当たりのchl濃度のどちらも高い傾向を示した.幹では予想通りの傾向が得られたが,枝では仮説と異なる結果となった.
著者氏名 ○岡田乃安1 ・ 楢本正明1 ・ 片畑伸一郎2 ・ 飯尾淳弘1
著者所属 1静岡大学農学部 ・ 2岐阜大学応用生物科学部
キーワード 幹枝光合成, 光透過率, クロロフィル
Key word stem and branch photosynthesis, light transmittance, chlorophyll