第135回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
生理部門[Tree Physiology]
日付 | 2024年3月8日 |
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開始時刻 | ポスター発表 |
会場名 | 532 |
講演番号 | PG-12(学生ポスター賞審査対象) |
発表題目 | 光波長変換下で育てたカラマツ実生の葉の老化遅延に関する遺伝子発現解析 Transcriptome Analysis of Delaying Leaf Senescence in Larch Seedling Grown Under Light-Wavelength Changing Conditions |
所属 | 北海道大学 |
要旨本文 | 発光性希土類錯体は、紫外光(約280-320 nm)を吸収してそのエネルギーで可視光を発光する光波長変換特性を持ち、農業用フィルムへの塗布によって植物の成長促進が期待されている開発中の資材(WCM)である。WCMの植物影響は、紫外光の減少と可視光の増大の2つに分けられる。本研究は、WCMを塗布したフィルムによる紫外光吸収がカラマツ苗の葉の老化に及ぼす遅延効果に注目して、その生理的機序を 光合成の光化学系Ⅱ活性の評価とRNA-seq解析によって明らかにした。 樹高成長が停止した9月、光化学系Ⅱの最大量子収率は、日中低下の大きさがWCM条件下で小さかった。発現変動遺伝子の数は、WCM条件下の高発現が378、低発現が973であった。遺伝子オントロジー(GO)のエンリッチメント解析では、UV応答、老化誘導で知られるエチレンやジャスモン酸に対する応答性、老化に関するGOの低発現が確認された。他方、光合成および糖代謝とリン代謝に関するGOの高発現を確認した。以上、WCMによる紫外線吸収はカラマツ苗の葉の老化誘導作用を低減させ、光合成生産の機能を高く維持させることで老化を遅延させていたと考えられた。 |
著者氏名 | ○QIANG, HAOYANG1 ・ 田嶋健人1 ・ 松田侑樹1 ・ 斎藤秀之2 ・ 長谷川靖哉3,4 ・ 宮本敏澄2 ・ 渋谷正人2 |
著者所属 | 1北海道大学大学院農学院 ・ 2北海道大学大学院農学研究院 ・ 3北海道大学大学院工学研究院 ・ 4北海道大学化学反応創成研究拠点 |
キーワード | カラマツ, 葉の老化, トランスクリプトーム, 光波長, 実生 |
Key word | Larix kaempferi, Leaf Senescence, Transcriptome, Light Wavelength, Seedling |