第135回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

生理部門[Tree Physiology]

日付 2024年3月8日
開始時刻 ポスター発表
会場名 532
講演番号 PG-14(学生ポスター賞審査対象)
発表題目 ダケカンバの葉形質の種内変異:5つの産地試験林を用いた評価
Intraspecific variation in leaf functional traits in Betura ermanii, using 5 common gardens
所属 静岡大学
要旨本文 地球温暖化に伴う気候変動によって、植物の分布が変化すると予測されている。こうした環境の変化に対して、植物は葉の形質や生理特性を変化させて対応する。広域に分布する種では、各地域の環境に適応した結果として、その可塑性が集団間で異なる可能性がある。葉形質の環境可塑性とその集団間変異を知ることは、植物の成長量及び分布の変化の予測精度向上に貢献する。ダケカンバ(Betula ermanii)は亜高山帯に生育する落葉広葉樹である。特に生育地が平地で隔てられている本州の集団では、集団間変異が大きい可能性がある。そこで、ダケカンバ産地試験林を用いて、成長に関わる葉形質の環境可塑性、集団間変異、及びその相互関係を評価した。環境の異なる5か所の産地試験林において、それぞれ5集団5個体の6年生ダケカンバについて葉の重量、葉厚、葉面積、クロロフィル(Chl)量、CN量、気孔密度、及び気孔サイズの計測を行い、試験林および産地の気象要因との関係を解析した。可塑性は多くの葉形質でみられ、特に単位重量当たりN重量やChl/Nで顕著であった。集団間変異については、クロロフィルa/bと気孔密度において最南端の集団である釈迦岳が他集団と大きく異なった。
著者氏名 ○早川朋花1 ・ 中田修人2 ・ 楢本正明1 ・ 相原隆貴3 ・ 吉田俊也4 ・ 戸丸信弘5 ・ 小林元6 ・ 後藤晋7 ・ 津村義彦8 ・ 飯尾淳弘1
著者所属 1静岡大学農学部 ・ 2静岡大学大学院総合科学技術研究科 ・ 3筑波大学大学院生命環境科学研究科 ・ 4北海道大学北方生物圏フィールド科学センター ・ 5名古屋大学大学院生命農学研究科 ・ 6信州大学農学部附属アルプス圏フィールド科学教育研究センター ・ 7東京大学大学院農学生命科学研究科 ・ 8筑波大学生命環境系
キーワード ダケカンバ, 産地試験, 種内変異, 葉形質
Key word Betura ermanii, Common garden experiment, Intraspecific variation, Leaf functional traits