第135回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
生理部門[Tree Physiology]
日付 | 2024年3月8日 |
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開始時刻 | ポスター発表 |
会場名 | 532 |
講演番号 | PG-15(学生ポスター賞審査対象) |
発表題目 | 温帯性つる植物種の木部道管形質の地理変異は凍結対処戦略によって異なるか Does geographical variation in xylem vessel traits of temperate liana species differ by freeze coping strategies? |
所属 | 東京大学 |
要旨本文 | 樹木の水輸送は蒸散・光合成量と関わり,種間競争や森林生態系機能にも関わる。つる植物は立木と比較して蒸散速度が高いため,その通水構造(道管)の研究は重要である。気温は植物サイズに次いで木部道管径に影響し,植物サイズ当たりの木部平均道管径は気温と正に相関する。これは凍結融解エンボリズムによる選択などの結果と考えられている。環孔材や一部のつる植物などの幹横断面の道管はサイズ二型がみられ,散孔材のような道管構造を持つ種の道管とは異なるサイズ構造を示す。これらの種では環境条件に対し異なる道管サイズ構造の変化を示すかもしれない。樹木は凍結融解エンボリズムに対し以下のような幾つかの対処戦略を持つ。1.エンボリズムの生じにくい道管を持つ,2.一成長期使い捨ての道管を利用する,3.成長期前にエンボリズムの生じた道管に水を再充填する。戦略の異なる種では気温や凍結融解の道管形質への影響が異なるかもしれない。本研究では木本性つる植物8種を対象に,日本の5-13地点で木材を採取し,道管サイズ構造を考慮しつつ道管形質の地理変異の種間差を調査した。発表では気温や凍結の影響,道管のサイズ構造や再充填機能との関係を考察する。 |
著者氏名 | ○日下部玄1 ・ 半智史2 ・ 船田良2 ・ 日浦勉1 |
著者所属 | 1東京大学大学院農学生命科学研究科 ・ 2東京農工大学大学院農学研究院 |
キーワード | 木本性つる植物, 凍結融解エンボリズム, 材タイプ, 道管二形性 |
Key word | liana, freeze-thaw induced embolism, xylem porosity type, vessel dimorphism |