第135回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
生理部門[Tree Physiology]
日付 | 2024年3月8日 |
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開始時刻 | ポスター発表 |
会場名 | 532 |
講演番号 | PG-16(学生ポスター賞審査対象) |
発表題目 | スギ集団間の乾燥ストレスに対する水理学的適応機能の差異 Differences of hydraulics acclimation against drought between natural populations of Sugi |
所属 | 神戸大学大学院 |
要旨本文 | スギは本土に広く分布する重要な造林樹種である。集団間には遺伝的な分化があることが知られており,生育環境の違いによって乾燥ストレスへの適応機能は異なると考えられる。本研究では,筑波大学スギ産地試験林に植栽された屋久島,鯵ヶ沢,安蔵寺の3集団由来のスギ計8個体に対して1年間の降雨遮断実験を行った。降雨がある8個体を対照区として設定し,葉の形態特性および水分特性を評価することで,人為的な乾燥ストレスに対する集団間の水理学的な適応機能の差異を検証した。 葉面積あたりの乾燥重量は対照区と降雨遮断区の間で同等であり,葉の形態形質に与える乾燥ストレスの影響は小さいと考えられた。また,降雨遮断区では3集団とも春から秋にかけて水利用効率が上昇する傾向にあった。葉の水分特性において,鯵ヶ沢集団は降雨遮断に対する順応は示さなかったものの,潜在的な浸透圧調整機能や貯水機能が高かった。一方で屋久島と安蔵寺集団は降雨遮断に対して貯水機能を上げることで順応していた。しかし屋久島集団では、夜明け前の葉の水ポテンシャルは対照区より降雨遮断区で低くなっていたことから、乾燥ストレスを受けている可能性が考えられた。 |
著者氏名 | ○小切壮仁1 ・ 杉本廉1 ・ 奥山颯大1 ・ 太田有紀2 ・ 津村義彦3 ・ 日浦勉2 ・ 黒田慶子1 ・ 東若菜1 |
著者所属 | 1神戸大学大学院農学研究科 ・ 2東京大学大学院農学生命科学研究科 ・ 3筑波大学生命環境系 |
キーワード | 樹液流, 通水阻害, 蒸散, 水ポテンシャル, アコースティックエミッション |
Key word | Sap flow, Embolism, Transpiration, Water potential, Acoustic emission |