第135回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
生理部門[Tree Physiology]
日付 | 2024年3月8日 |
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開始時刻 | ポスター発表 |
会場名 | 532 |
講演番号 | PG-17(学生ポスター賞審査対象) |
発表題目 | 材線虫病感染における壁孔の病変 pathological changes of the pits in pine wilt disease |
所属 | 東京大学 |
要旨本文 | マツ材線虫病は、世界的なマツの流行病で、病原であるマツノザイセンチュウに感染したマツの木部で仮道管が水輸送機能を失うために、萎凋枯死に至ることが明らかにされている。しかし、仮道管の通水阻害の発生メカニズムについては未解明の部分が多い。そこで、3年生クロマツ苗にマツノザイセンチュウ2000頭を接種し、通水阻害の拡大過程をMRIで非破壊的に可視化し、通水阻害域を中心にSEMによる仮道管の壁孔壁の観察を行った。罹病苗では、接種後まもなく、接種部付近に扇形の横断面を持つ通水阻害域が、また、接種部の反対側に 樹脂道を中心とした斑状の通水阻害域が発生した。これらの通水阻害域では、壁孔壁に堆積物がみられトールスとマルゴによる孔口の閉鎖がみられない壁孔が多数観察された。一方、病徴の進展後に生じた面的な通水阻害域では、前述の壁孔はわずかにみられるものの、大部分は沈着物がなくトールスによって孔口が閉鎖した壁孔であった。健全苗では通水阻害域の拡大や壁沈着物質は認められなかったことから、罹病苗で見られた沈着物質は本病の特有の現象であることが考えられた。 |
著者氏名 | ○黄文倩1 ・ 梅林利弘2 ・ 楠本大3 ・ 矢崎健一4 ・ 山岸松平4 ・ 種子田春彦5 ・ 渡辺敦史6 ・ 清水文一7 ・ 福田健二1 |
著者所属 | 1東京大学大学院農学生命科学研究科 ・ 2秋田県立大学生物資源科学部 ・ 3東京大学大学院農学生命科学研究科附属演習林教育研究センター ・ 4国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所 ・ 5東京大学大学院理学系研究科 ・ 6九州大学大学院農学研究院 ・ 7東洋大学生命科学部 |
キーワード | 材線虫病, 壁孔, FE-SEM |
Key word | pine wilt disease, pit, FE-SEM |