講演詳細

生理部門[Tree Physiology]

日付	2024年3月10日
開始時刻	ポスター発表
会場名	532
講演番号	PG-21
発表題目	一過的発現解析系を用いたユーカリの加水分解性タンニン生合成遺伝子の探索 Search for biosynthetic genes of hydrolyzable tannins in Eucalyptus camaldulensis using transient expression system
所属	国立研究開発法人　森林研究・整備機構　森林総合研究所
要旨本文	世界の陸地の約３割を占める酸性土壌では、アルミニウム(Al)が有害なイオンとして溶出し、植物の根の伸長を阻害する。ユーカリは、根に多量の加水分解性タンニンを蓄積し、根に侵入してきたAlと結合して無毒化することで極めて強いAl耐性を示すことをこれまでに明らかにした。しかしながら、加水分解性タンニンは草本モデル植物には蓄積しないため、その生合成に関与する遺伝子はほとんど明らかになっていない。本研究では、樹木特有のAl無毒化機能を活用するため、加水分解性タンニンの生合成機構を明らかにすることを目的とした。ユーカリから単離されている第一段階と第二段階の反応を触媒する４つの酵素遺伝子を、草本モデル植物であるベンサミアナタバコ葉で発現させた結果、想定される前駆体であるβ-グルコガリンの蓄積が確認され、一過的異種発現解析系が確立できた。また、トランスクリプトーム解析を行い、既知の加水分解性タンニン生合成遺伝子と共発現するユーカリの24の候補遺伝子を抽出した。今後、一過的発現解析系を用いて、候補遺伝子の機能解析を進め、加水分解性タンニンの生合成に関与する遺伝子を明らかにしていく。
著者氏名	○山溝千尋1 ・ 伊原徳子1 ・ 光田展隆2 ・ 田原恒1
著者所属	1国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所樹木分子遺伝研究領域 ・ 2産業技術総合研究所生物プロセス研究部門
キーワード	加水分解性タンニン, 生合成遺伝子, 酸性土壌耐性, 代謝機構
Key word	hydrolyzable tannin, biosynthetic genes, acid soil tolerance, metabolic mechanism