第135回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
生理部門[Tree Physiology]
日付 | 2024年3月10日 |
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開始時刻 | ポスター発表 |
会場名 | 532 |
講演番号 | PG-24 |
発表題目 | スギにおけるHKT系カリウムトランスポーター遺伝子の単離と解析 Molecular cloning and analysis of a HKT-type potassium transporter gene in Cryptomeria japonica |
所属 | 信州大学 |
要旨本文 | カリウムイオン(K+)は植物体内で最も豊富な陽イオンであり、ストレス耐性、細胞の拡大・成長、木部形成等、植物の様々な生理的過程に関与している。K+は生体膜に存在するK+膜輸送体によって輸送が行われており、HKTトランスポーターもその膜輸送体の1つである。HKTトランスポーターを含むK+膜輸送体の研究は、植物の成長や環境適応の仕組みを理解する上で重要である。本研究では、スギのHKTトランスポーターのCjHKT1をコードする遺伝子を単離し、解析を行った。配列解析の結果、CjHKT1は既知のHKTトランスポーターと相同性を示した。また、他のHKTトランスポーターと同様に8回膜貫通構造を持ち、第1番目のポアループにおけるイオン選択性フィルターにグリシンが配位していることが分かった。このことから、CjHKT1はK+とナトリウムイオンの両方の輸送機能を持つクラスⅡに属すると考えられる。そして、大腸菌のK+取り込み欠損変異株を用いた相補性試験では、CjHKT1がK+取り込み機能を持つことが明らかになった。また、発現解析では、CjHKT1は針葉、内樹皮、分化中木部、雄花において発現していることが確認された。 |
著者氏名 | ○細尾佳宏1 ・ 丸橋衣織2 ・ 岡山実紗2 |
著者所属 | 1信州大学学術研究院農学系 ・ 2信州大学農学部 |
キーワード | スギ, カリウム, 膜輸送, トランスポーター |
Key word | Cryptomeria japonica, Potassium, Membrane transport, Transporter |