第135回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
生理部門[Tree Physiology]
日付 | 2024年3月10日 |
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開始時刻 | ポスター発表 |
会場名 | 532 |
講演番号 | PG-26 |
発表題目 | 乾燥ストレスに対するスギおよびヒノキコンテナ苗の生理生態的反応 Ecophysiological responses of containerized Cryptomeria japonica and Chamaecyparis obtusa seedlings to drought stress |
所属 | 森林総合研究所関西支所 |
要旨本文 | スギおよびヒノキコンテナ苗を対象に、培土の乾燥に対する細根、樹幹、葉の生理生態的反応を調査するとともに、蒸散特性から乾燥解消後(再潅水後)の回復性を評価した。スギ、ヒノキともに個体内で最も乾燥に脆弱なのは細根であった。木部の水分通導度の損失率が50%となる水ポテンシャルは両種で違わなかったが(それぞれ-3.6MPa、-3.5MPa)、スギでは脆弱性曲線が飽和型であり、水ポテンシャル(Ψ)の低下とともにエンボリズムが徐々に拡大した一方、ヒノキでは-2MPaを下回るとエンボリズムが拡大し始めるS字型を示した。Ψの低下に対する気孔閉鎖パターンやタイミングは両種で違わなかったが、スギで葉の耐乾性が低く、Ψがしおれ点を下回ると先枯れが見られた。再潅水後、両種ともに乾燥時にΨ>-5MPaだった個体でΨは回復したが、スギでは乾燥時のΨが低いほど蒸散速度の回復率が小さく、ヒノキは乾燥時のΨが-2MPaを下回ると回復率が低下し始めた。以上より、スギは乾燥時の樹幹のエンボリズムおよび葉の生理障害の両方が乾燥解消後の蒸散特性に影響するのに対し、ヒノキは葉の耐乾性が高く、樹幹のエンボリズムの履歴が乾燥解消後の蒸散特性に影響すると考えられた。 |
著者氏名 | ○小笠真由美1 ・ 宇敷京介2 ・ 髙橋玄3 ・ 山下直子1 ・ 藤井栄4 |
著者所属 | 1国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所関西支所 ・ 2岐阜県森林研究所 ・ 3千葉県農林総合研究センター ・ 4徳島県立農林水産総合技術支援センター |
キーワード | エンボリズム, 電解質漏出, 水ポテンシャル, Fv/Fm, 葉の含水率 |
Key word | Embolism, Electrolyte leakage, Water potential, Fv/Fm, Leaf water content |