講演詳細

生理部門[Tree Physiology]

日付	2024年3月8日
開始時刻	ポスター発表
会場名	531
講演番号	PG-3（学生ポスター賞審査対象）
発表題目	ダケカンバにおける電子伝達速度と気孔コンダクタンスの産地間変異の評価 Evaluation of Inter-provenances variations in electronic transport rate and stomatal conductance for Betula ermanii
所属	静岡大学
要旨本文	急速な気候変動によって、植物を取り巻く環境が変化している。このような環境変化に対し、植物は自身の形態や生理機能を変化させて適応するが、広範囲に分布している種では集団の分断によって形態や生理機能が分化し、環境変動への適応能力が集団ごとに異なる可能性がある。こうした集団による形質とその可塑性の違いを明らかにすることは、気候変動への植物の反応を予測するうえで重要である。本研究では、冷温帯上部から樹木限界にまで分布する落葉広葉樹であるダケカンバ(Betula ermanii)を用い、葉の光合成機能と水利用特性の集団的変異と環境可塑性を評価した。全国5か所に設置されたダケカンバ産地試験林(年平均気温5.8~13.3℃)を用いて、自生地の温度帯が異なる5つの集団(1.3~7.6℃)各5個体を対象に、夏葉の電子伝達速度と気孔コンダクタンスを測定した。低緯度産地の個体は弱い光を効率よく利用するが、水利用効率は悪いことが示唆された。また、南アルプス集団はVPDの増加に対する気孔閉鎖の程度が、他の集団と比べてが大きかった。
著者氏名	○中田修人1 ・ 早川朋花2 ・ 相原隆貴3 ・ 吉田俊也4 ・ 戸丸信弘5 ・ 小林元6 ・ 津村義彦7 ・ 後藤晋8 ・ 水永博己2 ・ 楢本正明2 ・ 飯尾淳弘2
著者所属	1静岡大学大学院総合科学技術研究科 ・ 2静岡大学農学部 ・ 3筑波大学大学院生命環境科学研究科 ・ 4北海道大学北方生物圏フィールド科学センター ・ 5名古屋大学大学院生命農学研究科 ・ 6信州大学農学部 ・ 7筑波大学生命環境系 ・ 8東京大学大学院農学生命科学研究科
キーワード	電子伝達速度, 気孔コンダクタンス, 産地間変異, ダケカンバ
Key word	electronic transport rate, stomatal conductance, inter-provenance variation, Betula ermanii