第135回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

生理部門[Tree Physiology]

日付 2024年3月10日
開始時刻 ポスター発表
会場名 532
講演番号 PG-30
発表題目 永久凍土上のクロトウヒの肥大成長は森林火災後にどのように変化するか?
How does diameter growth of Picea mariana growing on permafrost change after a forest fire?
所属 森林総合研究所
要旨本文 地球上の森林に蓄積している炭素の約半分は北方林に存在しており、北方林の約7割は永久凍土分布域に成立している。近年の気候変動に伴って北方林での大規模火災は増加傾向にあるが、火災が北方林の炭素蓄積機能に与える影響は十分に明らかになっていない。とりわけ、火災による永久凍土面の沈下とその後の森林回復による永久凍土面の再上昇が、森林の中長期的な炭素蓄積機能にどのように影響するのかはほとんどわかっていない。本研究では、「永久凍土上に成育する樹木の肥大成長量は、火災後20〜40年程度は凍土面の沈下によって増加し、それ以降は凍土面の再上昇によって水ストレスがかかって減少する」という仮説を立て、年輪解析によって検証した。火災から約100年が経過した永久凍土上に成育するクロトウヒ22個体の樹幹から木部試料を採取し、年輪幅から過去の年間肥大成長量(断面積成長量)の変化を復元した。また一部の個体において、年輪の炭素安定同位体比から樹木の水利用効率の変遷を推定した。その結果、調査林分においては、火災から約100年が経過した後でも肥大成長量は減少しておらず、水分条件も良好であることが示唆された。
著者氏名 ○大橋伸太1 ・ 安江恒2 ・ 菊川拓聖2 ・ 山岸松平1 ・ 松浦陽次郎1
著者所属 1国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所 ・ 2信州大学
キーワード アラスカ, 年輪解析, 炭素安定同位体比, 酸素安定同位体比, 水利用効率
Key word Alaska, Tree-ring analysis, Stable carbon isotope ratio, Stable oxygen isotope ratio, Water use efficiency