第135回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
生理部門[Tree Physiology]
日付 | 2024年3月10日 |
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開始時刻 | ポスター発表 |
会場名 | 532 |
講演番号 | PG-35 |
発表題目 | 大気二酸化炭素濃度と菌根共生がブナ実生の光合成能力に及ぼす影響 Influences of CO2 concentration and mycorrhizal associations on the photosynthesis capacity of Fagus crenata seedlings |
所属 | 国立環境研究所 |
要旨本文 | 高CO2環境では最大カルボキシル化速度(Vcmax)の低下に起因する光合成のダウンレギュレーションが発生するが,これには菌根菌との共生様式も深く関わっていることが示されてきている.本研究では光合成のダウンレギュレーション機構解明を目的とし,菌根共生と細根発達に着目して栽培実験を実施した.福井県のブナ林においてブナの堅果と表層土壌を採取し,栽培実験の試料とした.対象区(CO2濃度:約420ppm)と高CO2区(700ppm)に分けて実生を1年間生育させたところ,対象区に比べて高CO2区ではVcmaxが減少しており,光合成のダウンレギュレーションが確認された.高CO2区においてVcmaxが低い個体の形質を解析したところ,葉の窒素濃度が低いことに加えて,全根端数が少ない傾向がみられた.さらに,菌根形成率が高い個体はJmax(最大電子伝達速度)/ Vcmax比が高くなっており,カルボキシル化反応への資源分配が減少していることが示唆された.これらの結果から,ブナの実生段階においては,シンク器官である根の発達が高CO2環境への光合成順化に重要であると考えられた. |
著者氏名 | ○赤路康朗1 ・ 鳥丸猛2 ・ 青日菜子2 ・ 山尾幸夫1 ・ 井上智美1 ・ 谷口武士3 |
著者所属 | 1国立環境研究所生物多様性領域 ・ 2三重大学大学院生物資源学研究科 ・ 3鳥取大学乾燥地研究センター |
キーワード | 光合成, 菌根, 植物-土壌相互作用 |
Key word | Photosynthesis, Mycorrhiza, Plant-soil interaction |