第135回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
植物生態部門[Forest Ecology]
日付 | 2024年3月8日 |
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開始時刻 | ポスター発表 |
会場名 | 532 |
講演番号 | PH-1(学生ポスター賞審査対象) |
発表題目 | シカ・イノシシ利用頻度の異なるナラ枯れ被害地の更新可能性 Regeneration potential of forests damaged by Oak Wilt with different utilization frequency by deer and wild boar |
所属 | 東京大学 |
要旨本文 | ナラ枯れにより集団枯死が発生すると森林の多面的機能が低下するが、林冠ギャップが形成されるため林床の光環境が改善し、後継樹の成長や下層植生の発達が促される可能性がある。一方、シカをはじめとする偶蹄類の存在はナラ枯れ被害跡地におけるギャップ下での更新を阻害する要因となる。ナラ枯れによるギャップ形成と偶蹄類の存在が下層植生の種組成に与える影響と、ナラ枯れ後の森林の更新可能性を検討するため、千葉県のコナラ林とマテバシイ林で実生消長と下層植生を3年間調査し、静岡県と愛知県でも調査を行った。ナラ枯れによるギャップ形成は草本の被度や先駆樹種の実生数に正の影響を与えたが、先駆種以外の木本の更新にはほとんど影響を与えなかった。シカの存在はシカ不嗜好性種に正の、それ以外の種には負の影響を与え、下層植生の種組成に強い影響を与えていた。コナラの実生数は、ギャップの有無と関係なく、種子が供給されかつシカが不在の調査区で多く出現した。マテバシイの実生はギャップやシカの影響によらずほぼ確認できず、実生更新の可能性は低いと考えられた。ナラ枯れ被害地はナラ林ではなく、シカの影響を強く受けた林相へ誘導される可能性がある。 |
著者氏名 | ○加藤大樹 ・ 鈴木牧 |
著者所属 | 東京大学大学院新領域創成科学研究科 |
キーワード | ナラ枯れ, シカ, 更新, コナラ, 林冠ギャップ |
Key word | Japanese oak wilt, deer, regenration, oak, canopy gap |