第135回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

植物生態部門[Forest Ecology]

日付 2024年3月8日
開始時刻 ポスター発表
会場名 532
講演番号 PH-18(学生ポスター賞審査対象)
発表題目 自然性の高い緑化地創出に向けた緑化地と周辺天然林の森林構造比較
Comparing stand structure between revegetation sites and neighboring forests for creation of natural vegetation
所属 神戸大学
要旨本文  近年,都市人口の増加やSDGs等の取り組みに伴い,都市部の生態系サービスやその維持・改善方法が注目されている.自然性の高い都市緑地は多くの生態系サービスを提供する一方,都市部の緑化地では,低木層の多様性低下,樹木の生育不良などの問題が報告されており,緑化地の自然性を向上させるためには,天然性林との森林構造の違いを明らかにする必要がある. 本研究では,緑化地の自然性を評価するため,神戸市内の陸地及び人工島に造成された常緑樹が優占する緑化地の森林構造を天然性の常緑樹林と比較した.各調査地間の植生類似度をnMDSによって解析した結果,森林構造に大きな差は無いものの,落葉樹や中低木種の割合が天然性林で大きく,緑化地では小さいことがそれぞれの森林構造を特徴づけていると示された.また,共通種のアラカシの推定最大樹高は,陸地の緑化地では天然性林と同程度に達すると予想される一方,人工島では樹高成長が1/2程度に制限されていた.今後,緑化地の自然性を向上させるためには,周辺天然林から落葉樹や中低木種などの多様な樹種の導入が必要であり,特に人工島の緑化地においては生育環境の改善も必要であると考えられる.
著者氏名 ○奥山颯大 ・ 川田直人 ・ 吉岡鷹彦 ・ 石井弘明
著者所属 神戸大学大学院農学研究科
キーワード 生態系復元, 森林管理, 公園緑地, nMDS, 形状比
Key word Ecosystem Restoration, forest management, park green space, nMDS, H/D ratio