第135回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
植物生態部門[Forest Ecology]
日付 | 2024年3月10日 |
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開始時刻 | ポスター発表 |
会場名 | 532 |
講演番号 | PH-33 |
発表題目 | エコタイプの異なるブナの発芽特性 Germination characteristics of beech with different ecotypes |
所属 | 森林総合研究所 |
要旨本文 | 気候変動により、林床環境も変化することが予測される。将来、積雪量や期間の変化は、植物の発芽環境に影響を及ぼす。積雪量の減少や積雪期間の短縮は、地上面を過度の低温に曝す。その影響は、同じブナという種の中でも、エコタイプによって異なることも予想される。本研究では、幅広い地域で採取した日本海側型と太平洋側型ブナ種子を用いて、異なる温度の定温条件下での発芽率を比較した。結果、発芽タイミングは、高い温度で早まり、また、エコタイプで異なる(安比で早い)。0.8℃(定温)でも発芽する。発芽スピード(傾き)は、各温度で大きな違いはなかった( 6.3℃で若干早い )。充実種子でも、発芽率は、エコタイプによって異なる。温度上昇に伴う発芽率の低下は、見られない。太平洋側型ブナで、発芽率が低い。野外環境条件下では、発芽率は、筑波で6%、天城で2%と低い(理由不明)、といったことがわかった。地球温暖化により気温が上昇しても発芽に対する直接的影響は少ないが、温度上昇による発芽のタイミングの早期化と積雪のタイミングの変化の関係に注視する必要があると思われた。 |
著者氏名 | ○上村章 ・ 飛田博順 ・ 才木真太朗 ・ 原山尚徳 ・ 香山雅純 |
著者所属 | 国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所植物生態研究領域 |
キーワード | ブナ, 気候変動, エコタイプ |
Key word | beech, climate change, ecotype |