第135回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
植物生態部門[Forest Ecology]
日付 | 2024年3月10日 |
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開始時刻 | ポスター発表 |
会場名 | 532 |
講演番号 | PH-36 |
発表題目 | 幹の伸長量・肥大量が多い年は枝成長量も多いのか:クロトウヒの例 Apical and cambial growth characteristics in the stem and branch of Picea mariana |
所属 | 京都大学 |
要旨本文 | 木部への炭素蓄積量は年変動する。年変動推定に際し、従来は胸高の幹肥大量を指標として解析が行われてきたが、それらが多い年に、幹伸長量や枝肥大量も多いとは限らないことが分かり始めた。本研究の目的は、幹と枝の伸長量と肥大量を対象とし、年変動の類似性を調べたうえで各成長量に影響する要因が同じかどうかを解明することにある。カナダ北西準州の、林冠が閉鎖していない約60年生クロトウヒ林分で10個体(平均DBH±SD:4.1±0.6cm)を伐倒し、各個体から約20年生の一次枝を計200本採取した。全ての幹と枝について過去20年分の当年枝長と年輪幅を計測した。成長量に影響する要因は、気象データおよび前年の幹枝の全長または直径を含む統計モデルを用いて検討した。幹の伸長量と肥大量には年変動に弱い類似性が認められたが、伸長量は温度の影響を受け、肥大量は前年直径に強く制御されており気候の影響は小さい可能性が考えられた。枝の伸長量と肥大量には年変動に類似性は認められなかった。伸長量の年変動は幹と枝とで類似性が認められ、どちらも前年気温を含むモデルで説明できた。肥大量の年変動は幹と枝で類似性はなく、影響する主要因が異なることが示唆された。 |
著者氏名 | ○Tomoko Tanabe1 ・ Masako Dannoura2 ・ Yojiro Matsuura3 |
著者所属 | 1京都大学生存圏研究所 ・ 2京都大学大学院農学研究科 ・ 3国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所 |
キーワード | 生産量, 地上部, 伸長成長, 肥大成長 |
Key word | production, aboveground, apical growth, cambial growth |