第135回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

植物生態部門[Forest Ecology]

日付 2024年3月10日
開始時刻 ポスター発表
会場名 532
講演番号 PH-39
発表題目 ニセアカシアにおけるラメット成長率と根萌芽発生数の関係
Relationship between the growth rate of ramets and number of emergence root-sprouts in Robinia pseudoacacia L.
所属 秋田県立大学
要旨本文 北米原産の落葉高木のニセアカシアは、肥料木として海岸林などの貧栄養地に植栽されてきた。一方で、旺盛な種子繁殖と根萌芽による栄養繁殖により、河川敷などに分布を広げ、在来種の生態系を大きく改変させる。そこで、本研究ではニセアカシアの繁殖特性を理解する事を目的として、個体の成長量と根萌芽発生数の関係性を調べた。2022年度にニセアカシアの新規の更新が認められた秋田県立大学構内に試験区(21m×64m)を設定し、2023年4月から8月にかけて試験区内の個体の発生数と全個体の成長量(根元直径及び樹高)を継続的に測定するとともに、2023年8月時点で確認できた113個体を対象に9座のSSRマーカーを用いてジェノタイピングを行った。その結果、試験区内のニセアカシア集団は2種類のジェネットから構成される事が明らかになった。また、比較的成長が遅いジェネットでのみ根萌芽による更新が認められ、比較的成長が早いジェネットでは枯死個体数が多い傾向が認められた。以上の結果より、個体成長が盛んな春から夏において、ニセアカシアの根萌芽発生数とラメットの成長量はトレードオフの関係にある事が示唆された。
著者氏名 ○元田多一1 ・ 木村恵2 ・ 沈昱東1 ・ 工藤佳世1 ・ 野田龍1 ・ 高田克彦1
著者所属 1秋田県立大学木材高度加工研究所 ・ 2秋田県立大学生物資源科学部
キーワード ニセアカシア, 生理的統合, 根萌芽, クローナル植物
Key word Robinia pseudoacacia L., Physiological integration, Root-sprout, Clonal plant