第135回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

植物生態部門[Forest Ecology]

日付 2024年3月8日
開始時刻 ポスター発表
会場名 532
講演番号 PH-7(学生ポスター賞審査対象)
発表題目 モンゴル北部に生育する樹齢が異なるシラカンバの肥大成長の気候応答
Climate response of radial growth of Betula platyphylla of different ages growing in northern Mongolia
所属 信州大学
要旨本文 モンゴルの森林火災後の先駆樹種であるシラカンバは、肥大成長と気候の関係について樹齢による違いが十分に議論されていない。本研究ではモンゴル北部に生育するシラカンバの約40年生と約50年生、約100年生との間で肥大成長と気候の関係を比較した。モンゴル国立大学ウドレグ研究林のシラカンバが生育する林分に調査地を設定した。約40年生を15個体、約50年生を35個体、約100年生を22個体選定し2方向から年輪コア試料を採取した。その後実体顕微鏡を用いた年輪幅の測定とクロスデイティングを行った。年輪幅の実測値を標準化しクロノロジーを作成した。クロノロジーと月降水量、月平均気温との間で単相関分析を行った。約40年生では、年輪幅と当年4月の気温との間に負の相関が、当年11月の気温との間に正の相関が認められた。約50年生では、前年2月と当年4月の気温との間で負の相関が、当年11月の気温との間で正の相関が認められた。約100年生では、前年7月、8月、9月の降水量との間で正の相関が、当年6月、7月の気温との間で負の相関が認められた。よってシラカンバの成長と気候の関係は樹齢で異なり、樹齢が大きくなると夏の気候の影響を受けやすくなる可能性がある。
著者氏名 ○倉田遼大1 ・ 城田徹央1 ・ 飯田義人1 ・ 松浦陽次郎2 ・ Baatarbileg, Nachin3 ・ Gerelbaatar, Sukhbaatar3 ・ 安江恒4
著者所属 1信州大学農学部 ・ 2国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所企画部 ・ 3モンゴル国立大学 ・ 4信州大学先鋭領域融合研究群 山岳科学拠点
キーワード 年輪年代学, シラカンバ, 気候応答, モンゴル, 樹齢
Key word dendrochronology, Betula platyphlla, climate response, Mongolia, tree age