第135回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
植物生態部門[Forest Ecology]
日付 | 2024年3月8日 |
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開始時刻 | ポスター発表 |
会場名 | 532 |
講演番号 | PH-9(学生ポスター賞審査対象) |
発表題目 | 標高の違いに対するガンコウランの表現型可塑性:浅間山高山帯の事例 Phenotypic plasticity of Japanese crowberry(Empetrum nigrum var.japonicum) in response to elevation differences |
所属 | 長野大学 |
要旨本文 | 高山帯の生態系は、植物の生長と繁殖を制限する厳しい環境であり、標高が高くなるにつれて劇的に厳しい条件へと変化する。高山植物は、このような厳しい環境・生育条件に対応できていることから、高い表現型可塑性を持つ可能性が高いとされる。本研究は、高山帯に分布するガンコウランを対象に、性表現、樹冠サイズ、枝・葉サイズ、果実生産量、果実・種子サイズ、発芽率を適応度成分として考え、これらの適応度成分が標高によってどのように変化するのかを把握した。 調査は、浅間山(標高2568m)の高山帯(標高1670m、1770m、1870m、1970m、2070m、2170mの地点)で2021年8月と9月、2023年8月に行った。各地点に50mの調査ラインを設置し、各ライン周辺に出現した10個体を調査対象個体(計60個体)とした。 性比と樹冠サイズは、標高による有意な違いは認められなかった。枝・葉サイズ、果実生産量、果実・種子サイズ、発芽率は、標高による有意な違いが認められ、標高1970mあるいは2070mでそれぞれ高い値を示した。これらの結果から、ガンコウランは、標高によって表現型を変化させて、浅間山高山帯の中標高(1970m~2070m)で適応度を高めている可能性が示唆された。 |
著者氏名 | ○近森雄作 ・ 高橋一秋 |
著者所属 | 長野大学環境ツーリズム学部 |
キーワード | 枝・葉サイズ, 果実生産量, 果実・種子サイズ, 発芽 |
Key word | branch and leaf size, fruit production, fruit and seed size, germination |