講演詳細

立地部門[Forest Environment]

日付	2024年3月8日
開始時刻	ポスター発表
会場名	532
講演番号	PI-11（学生ポスター賞審査対象）
発表題目	ササの消失及び代替下層植生の回復が土壌生態系機能に与える影響について The effect of the loss of Sasa and the restoration of alternative understory vegetation on soil ecosystem function.
所属	九州大学
要旨本文	近年、シカ個体数の増加による食害から下層植生を保護するために全国各地でシカ防除柵が導入されている。しかしながら、下層植生回復によりどの程度土壌生態系機能が回復するのかは分かっていない。そこで本研究は、九州南部山岳部ブナ林において、ササが残っている柵内(ササ区)、食害によるササが消失後に柵設置により木本低木が回復した柵内（回復区）、下層植生のない柵外における土壌特性を比較し、植生の回復が土壌生態系機能の回復に与える影響を評価することを目的とした。　調査は、３つの下層タイプに生育する８個体のブナ樹冠下において、下層植生の状態、土壌生態系機能、土壌環境を調査した。　土壌炭素・窒素濃度、微生物呼吸はササ区で最も高く、次いで回復区、柵外であった。ササ区の土壌嵩密度は柵外より有意に低く、A0層の乾燥重量は有意に高かった(Tukey-test, P<0.05)が、回復区とササ区および柵外に有意差はなかった。A0層の乾燥重量と、微生物呼吸や純窒素無機化速度には正の相関があり、回復区で最も傾きが大きかった。これらの結果により、ササ消失により劣化した土壌生態系機能は、回復途上にあることが示唆された。
著者氏名	○古賀みこと3 ・ 片山歩美1 ・ 菱拓雄1 ・ 小山田美森2
著者所属	1九州大学大学院農学研究院 ・ 2九州大学大学院生物資源環境科学府 ・ 3九州大学農学部
キーワード	シカ, ササ, 回復, 土壌生態系機能
Key word	deer, Sasa, restoration, soil ecosystem function