第135回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
立地部門[Forest Environment]
日付 | 2024年3月8日 |
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開始時刻 | ポスター発表 |
会場名 | 532 |
講演番号 | PI-12(学生ポスター賞審査対象) |
発表題目 | 高山帯における木本根系の無機態および有機態窒素吸収と根特性の関係 Relationship between inorganic and organic nitrogen uptake and root traits of woody root system in alpine ecosystem |
所属 | 信州大学 |
要旨本文 | 高山帯に生息する木本植物は、貧栄養土壌における種間の養分獲得競争を生き抜くため、種特有の窒素(N)吸収戦略を有している可能性がある 。本研究では、種の戦略の違いを明らかにするため、無機態および有機態N吸収速度の樹種間差と、根特性との関係を調べた。調査は信州大学農学部西駒演習林の将棋の頭(2,672 m a.s.l)周辺で行い、対象樹種は外生菌根菌(ECM)と共生するハイマツ、ミヤマハンノキと、エリコイド菌根菌(ERM)と共生するガンコウラン、キバナシャクナゲ、コケモモの計5樹種とした。実生個体を丁寧に丸ごと掘り出し、その根系を洗浄した後、溶液直接吸収法を用いてNH₄⁺、NO₃⁻、グリシンのN形態のN吸収速度を測定した。さらに測定に用いた根系から形態特性および化学特性を算出した。NH₄⁺とNO₃⁻吸収速度は、コケモモで有意に高く、他の樹種間で有意な差は見られなかった。有機態N吸収速度はERM種で高い傾向があった。また、総N吸収速度に占める各N形態の吸収速度の割合は、ECM種で無機態N、ERM種で有機態Nの寄与が大きかった。本発表では、根特性の結果も踏まえて、N吸収速度と根特性の関係を議論する。 |
著者氏名 | ○諏訪竜之介 ・ 伊藤拓生 ・ 岩田拓記 ・ 牧田直樹 |
著者所属 | 信州大学 |
キーワード | 森林限界, 外生菌根菌, エリコイド菌根菌, 溶液直接吸収法, 根形態 |
Key word | tree line, ectomycorrhizal fungi, ericoid mycorrhizal fungi, solution-depletion method, root morphology |