講演詳細

立地部門[Forest Environment]

日付	2024年3月8日
開始時刻	ポスター発表
会場名	532
講演番号	PI-14
発表題目	酪農地帯における樹木への大気沈着量の変化 Changes in atmospheric deposition on trees in dairy areas.
所属	公立千歳科学技術大学
要旨本文	酪農地帯では堆肥化の過程で多量のアンモニア揮散が生じるため、その近郊に森林が存在する場合は窒素が森林へ過剰に供給され、土壌の酸性化や窒素過多による森林の衰退が考えられる。森林は大気中の物質を捕捉しやすいため周辺環境からの影響を受けやすく、その影響は樹冠の広がりや葉の形といった樹種ごとの特徴に依存して変化しうる。しかし、周辺環境が森林の物質沈着に及ぼす影響が樹種によってどう変化するかは十分にはわかっていない。このことを明らかにするため、酪農地帯近郊林と周辺からの汚染がほとんど無い山林の２地点での森林への大気汚染物質の沈着量の比較、さらに各地点における異樹種間での沈着量の比較を行った。酪農地帯に位置する千歳市美々公園のミズナラおよびシラカバと、下呂市船山に位置する位山演習林のミズナラを対象に、林外雨、樹冠通過雨、および樹幹流の採水を行った。採水した試料水はpHを測定しイオンクロマトグラフィーにより窒素沈着量を算出した。その結果、畜産地帯近郊林では多量のアンモニア態窒素の沈着が観測され、また、pHが山林に比べ１以上高いことがわかった。本発表では樹種間の比較の結果についても報告する。
著者氏名	○加藤雅悠1 ・ 井手淳一郎1 ・ 大西健夫2 ・ 篠塚賢一3
著者所属	1公立千歳科学技術大学理工学部 ・ 2岐阜大学応用生物科学部 ・ 3岐阜大学流域圏科学研究センター
キーワード	樹幹流, 樹冠通過雨, 窒素化合物
Key word	stemflow, throughfall, nitrogen compound