第135回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

立地部門[Forest Environment]

日付 2024年3月10日
開始時刻 ポスター発表
会場名 532
講演番号 PI-19
発表題目 母材の異なる森林土壌におけるプライミング効果
Priming effects in forest soils with different parent materials
所属 日本原子力研究開発機構
要旨本文 森林土壌に蓄積されている炭素のおよそ半分が下層土壌に存在している。下層土壌に蓄積された炭素は微生物に分解されにくい状態で存在していると考えられてきたが、近年、炭素循環に大きく寄与している可能性が指摘されている。下層土壌への新たな有機物供給に伴い土壌有機物の分解が促進されること(プライミング効果)も報告されているが、その研究例は乏しい。本研究では、火山灰の有無による有機物と鉱物との相互作用の違いに着目し、新たな有機物供給に対する分解応答を評価することを目的とした。火山灰土壌と非火山灰土壌が分布する4つの調査地の表層(0-10cm)と下層(40-60cm)の土壌を最大容水量の64%に調整し、最大容水量の1%の水または13Cでラベルしたスクロース溶液を添加後、20°Cと30°Cで培養した。スクロース添加によって、火山灰土壌の下層では正のプライミング効果が認められたが、培養後90日目のスクロース添加の有無による炭素放出量の差は、いずれの土壌においても添加量の半分程度であった。したがって、土壌へのスクロース添加は有機物分解を促進したが、90日間の培養ではスクロースの一部は分解されずに土壌中に残留している可能性が示唆された。
著者氏名 ○阿部有希子 ・ 中山理智 ・ 安藤麻里子 ・ 小嵐淳
著者所属 日本原子力研究開発機構
キーワード 下層土壌, 火山灰土壌, 土壌有機物分解, 温度応答
Key word Subsoil, Volcanic ash soil, Soil organic matter decomposition, Temperature sensitivity