第135回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
立地部門[Forest Environment]
日付 | 2024年3月10日 |
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開始時刻 | ポスター発表 |
会場名 | 532 |
講演番号 | PI-21 |
発表題目 | アルカリ抽出によるタケ植物体中含有ケイ素定量法の検討 Applicability of alkaline extractions for determination of silicon contents in bamboo |
所属 | 国立研究開発法人森林研究・整備機構 |
要旨本文 | 植物体中のケイ素(Si)含有量測定法の一つである1%炭酸ナトリウム(Na2CO3)抽出法は、試料の灰化をともなわない簡易で安全かつ安価な手法として利用されてきた。しかし近年、一部の植物種や器官で、従来法より定量値が過小評価となる場合があることが報告された。本研究では、タケ試料に最適な方法を選定するため、モウソウチクの枯葉と生稈の微粉砕試料を用いて、灰化またはアルカリ度がより強い5%NaOHを用いた場合の定量値への影響を検討した。1%Na2CO3抽出法による葉のSi含有量は、湿式灰化+1%Na2CO3抽出に比べ1.3%、湿式灰化+5%NaOH抽出に比べ5.3%、従来法の乾式灰化+塩酸処理+5%NaOH抽出法に比べ9.2%低下した。これらのことから、灰化を行わない1%Na2CO3抽出法では植物組織への試薬の浸透が制限されていたこと、タケの植物ケイ酸体の溶解性がアルカリ試薬の強さに依存し、1%Na2CO3では溶かしきれない形態のケイ酸体粒子が存在することが明らかとなった。一方、稈では、灰化すると逆にSi定量値が低下した。これは、稈のSi含有量が葉に比べて低く、灰化時のSiの損失が影響した可能性があることから、植物器官ごとに最適な分析法を選択する必要があると考えられた。 |
著者氏名 | ○梅村光俊1 ・ 平井敬三2 ・ 齋藤智之3 |
著者所属 | 1国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所北海道支所 ・ 2国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所 ・ 3国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所東北支所 |
キーワード | 植物ケイ酸体, 炭酸ナトリウム抽出, 水酸化ナトリウム抽出, 溶解性 |
Key word | phytolith, sodium carbonate extraction, sodium hydroxide extraction, solubility |