講演詳細

立地部門[Forest Environment]

日付	2024年3月8日
開始時刻	ポスター発表
会場名	532
講演番号	PI-4（学生ポスター賞審査対象）
発表題目	ヒノキの葉と細根のリター分解に及ぼす土壌の影響 The effect of soil on cypress leaf and fine-root decomposition
所属	名古屋大学大学院
要旨本文	樹木の葉・細根はリターとして大量に土壌へ還元される器官であり、土壌有機物（SOM）の給源として重要である。特に細根は葉よりも分解されにくい性質からSOM給源として注目を集めている。SOMの滞留時間を延ばすためには、リターおよびその分解産物が土壌鉱物と親和する過程が必要である。しかし、その過程の器官差が分解速度に影響するのかという課題は未解明である。そこで本研究では、器官別リター分解に及ぼす土壌鉱物の影響解明を目的として、野外でのリター分解実験を、ヒノキ人工林2林分で2年間行った。通常のリターバッグ試験では土壌とリターの接触面が限定されるため、土壌粒子を保持可能なガラス繊維円筒ろ紙に、4つの基質処理 「粉末化した葉または細根のみ、粉末化した葉または細根と土壌（深さ30-40cmから採取）の混合物」をそれぞれ入れ、1年毎に回収し、リター呼吸量と残存率の測定を行った。その結果、葉と細根ともに土壌と混合した基質の重量残存率は、土壌未混合の処理区よりも高かった。土壌混合処理区のリターからの炭素・窒素損失は葉で1、2年目とも抑制されたが、細根では1年目に抑制されて2年目には抑制効果が希薄になるという器官差が見られた。
著者氏名	○林亮太1 ・ 眞家永光2 ・ 和穎朗太3 ・ 平野恭弘4 ・ 谷川東子1
著者所属	1名古屋大学大学院生命農学研究科 ・ 2北里大学獣医学部 ・ 3農研機構 農業環境変動研究センター ・ 4名古屋大学大学院環境学研究科
キーワード	土壌有機物, 呼吸速度, ガラス繊維ろ紙
Key word	soil organic matter, respiration rate, glass fiber filters